「寺内貫太郎一家」や「阿修羅のごとく」など、昭和のテレビ界を牽引した、

脚本家・向田邦子さん。

猫好きとしても知られていました。

彼女の人生は、猫との日々を切り離して語ることはできません。

向田邦子さんのエッセイ「眠る盃」には、愛猫たちの記述が登場します。

まず、実家暮らしの時から暮らす「伽俚伽(かりか)」。

シャムネコの伽俚伽は、向田さんが35歳の時、

お父様とのけんかがきっかけで独立生活をすることに。

身の回りのものと伽俚伽を連れて家を出たのだそうです。

その日はちょうど東京オリンピックの日でした。

一か月後、お母様に腕を引っ張られて向田さんの新居を見に来たお父様。

このとき伽俚伽は喜びを体全体で表現していたと言います。

そんな伽俚伽との共同生活の中で、

向田さんはテレビドラマの脚本家として頭角を現していきます。

その後、向田さんは新たに猫を向かい入れることとなります。

その猫は、なんとタイからやってきたのです。

というのも、海外旅行が趣味だった彼女は、

旅先のタイで出会った「コラット」という猫に一目ぼれ。

オスのマミオとメスのキッチイが向田家にやってくることになったのです。

先住猫、伽俚伽含め3匹の猫。

向田さんは青山のマンションを購入した際、

この三匹の猫のために「猫部屋」なるものを構えました。

これこそ猫好きのなせるわざ。

向田さんは「眠る盃」の中で、猫の魅力をこう記しています。

「甘えあって暮らしながら、油断は出来ない、その兼ねあいが面白い。」

原稿の執筆そっちのけで、

マミオとキッチイの子の世話をしていたという向田さん。

人気脚本家の知られざる猫好きの素顔です。