「誰がために鐘は鳴る」「武器よさらば」などの著作で有名な作家、アーネスト・ヘミングウェイ。
もともとジャーナリスト出身のヘミングウェイは、「行動派」と呼ばれる作家でした。
ちょうど彼が筆を持っていたのが、第一次世界大戦が勃発した、戦争の時代。
こうした戦争にも積極的にかかわり、その経験をもとに名作は生まれていったのです。
文壇でも人気を博し、注目を集めるスター作家の地位を築いたヘミングウェイですが、私生活では三回も結婚を繰り返していました。
その二番目の奥さんと新婚生活の場として選んだのが、フロリダ半島の先に点在するキーウエスト島。
美しい海が見渡せる港町です。
ここに、今もヘミングウェイが暮らした家が「ヘミングウェイ博物館」として観光客に愛されていました。
観光客のお目当ては、ヘミングウェイの貴重な執筆机や原稿…
ではなく、なんと「猫」。
実はこの博物館の敷地内には、ヘミングウェイが愛した猫の直系の子が今も闊歩しているのだとか。
その猫たちには大きな特徴がありました。それは、指が6本あること。
そもそもヘミングウェイの愛猫は、漁船で生まれた猫だったと言われています。
漁船でのネズミ取りのために猫を航海に連れていくようになったそうですが、長期間の航海で近親交配が進み、多指症という指が6本になる変異が出てしまったそうです。
しかし、この6本指の猫は幸運をもたらすと信じて疑わなかったヘミングウェイは、知り合いの船乗りさんから6本指の猫2匹を譲り受けました。
この6本指の猫は、実際ヘミングウェイに幸運をもたらします。
キーウエストで執筆した「老人と海」がノーベル文学賞を受賞。
世界の文学界の最高峰へと上り詰めたのです。